美しさの秘密

一飯の恩は忘れまい。

大学生の頃、苦学生だった私は貧困に喘ぎ、毎日のように食べるものに困っていました。
一日一食なんてザラで、二日間水とマーガリンを摂取して過ごしたこともあります。
そんなとき、同じく苦学生をしていた友人が、私に唐揚げ定食をおごってくれたのです。
お腹を鳴らしながら笑顔でごはんを食べさせてくれた友人に、いつか必ず恩を返そうと思いました。
大学卒業後、社会人になった私は、以前ほど貧乏暮らしに悩まされることはなくなりました。
風の便りで、友人は一流企業を退職後企業して、会社を切り盛りしていると聞きました。
あいつならいつかやると思っていたなどと、仲間内では誇りとなっていました。
ある日、数年ぶりに友人から連絡があり、食事をすることになりました。
久しぶりに会う友人は、心なしか痩せていて、疲弊しきっていました。
どうやら、会社の経営不振で借金をしてしまったらしく、知り合いを当たってお金を借りて回っていると話してくれました。
私は「これだけで良いの?」と言いながら友人に5万円を貸して、食事代を持つことにしました。
そんなことはしてもらえないと友人は遠慮しましたが、私は、学生時代の恩を返すならここだと思いました。
その後、友人の会社は持ち直したそうです。